今回は、第193回通常国会で法改正が予定されている組織犯罪処罰法について簡単・丁寧・やさしく解説をします。テロ等組織犯罪準備罪、共謀罪などの呼び方、各党の立場やメリット・デメリットを理解して頂き、今国会の目玉法案に対し、国民の皆様の厳しい目を国会に向けて欲しいと思います。

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組織犯罪処罰法とは?

正式名称:組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成11年法律第136号)
暴力団・テロ組織などの反社会的団体や、会社・政治団体・宗教団体などに擬装した団体による組織的な犯罪に対する刑罰の加重と、犯罪収益のマネー・ローンダリング(資金洗浄)行為の処罰、犯罪収益の没収・追徴などを定める。

 つまり、組織的な犯罪は刑が重くなるよ!だからやめた方がいいよ!と、犯罪を未然に抑制する効果を見据えて制定された法律です。この法律ができたきっかけは、オウム真理教の地下鉄サリン事件や暴力団関連の組織犯罪が増加したことが理由にあるそうです。法律は、生き物です。時代にあったルールが必要になるのです。

なぜ、いま組織犯罪処罰法が改正されるのか?

今回の第193回通常国会で「組織犯罪処罰法の改正」が目玉法案のひとつとなっています。
主な改正点は、組織犯罪処罰法に「テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)」を加えることです。「テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)」とは、「これからテロしようぜ」とか「国会議事堂にのりこもうぜ」など、反社会的な行動を起こすために具体的・かつ現実的な計画を企てる行為を罪とする法律です。科せられる刑は、懲役・禁固4年以上とかなり重い判決となります。犯罪の抑制効果に大いに期待ができますね。

*「テロ等組織犯罪準備罪」と「共謀罪」の二つ名前・呼び方がありますがどちらも全く同じ意味です。この呼び方については、のち程説明しますね。

早急に「テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)」を加える理由は二つ

①2020年東京オリンピック・パラリンピックを万全の状態で迎えなければいけない
世界中からたくさんの人々が集まるオリンピック・パラリンピックは、まさに世界の一大イベントです。万が一、東京でテロが起き世界中の人が犠牲になれば、「日本は危険な国だ」「日本はセキュリティが甘いからいつでもテロが起きる」と世界から悪いイメージを持たれてしまいます。そうなれば日本の観光客は減りますし、貿易にも影響があるでしょう。とにかく、今まで築いてきた安全・安心な国の印象を壊してはならないのです。

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②国連に加盟する国家として責任をもつこと
2000年に国連で「テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)」を罰する条約が可決されました。我が日本は、国連に所属していますし、また条約可決の際も「署名」して国内でも法整備を急ぐことを承認しています。しかし、現在日本には、「テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)」に該当する法律が出来ていないのです。
 「やります」と約束したことが出来ていないのならば、国際的な信用が落ちることは火を見るより明らかです。国連に所属する者として、また国際社会でさらに影響力を持つためにも、「テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)」を早期完成させることは大変重要な案件です。

「テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)」を加えるメリットとデメリット

では、次に、テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)のメリットとデメリットをみていきましょう。

メリット

  1. 組織犯罪の早期防止につながる
  2. 組織犯罪に少しでも関わった人々を逮捕することができる

デメリット

  • 共謀罪の線引きが難しいため、犯罪の判断が曖昧になってしまう。
  • 冤罪が多くなると予想される。
  • 冗談で犯罪計画を友人と話しただけで逮捕される。

デメリットに対しての反論

法務省のHPでは、以下の様に解説されています。
【以下引用】

そもそも「共謀」とは,特定の犯罪を実行しようという具体的・現実的な合意をすることをいい,犯罪を実行することについて漠然と相談したとしても,法案の共謀罪は成立しません。 したがって,例えば,飲酒の席で,犯罪の実行について意気投合し,怪気炎を上げたというだけでは,法案の共謀罪は成立しませんし,逮捕されるようなことも当然ありません。

出典:組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&Aより引用

つまり、本格的に組織犯罪を計画しないかぎり共謀罪による逮捕は無いということです。犯罪資金のための金集めや犯罪を成功させるための組織拡大運動など、極めて違法性が高く、実現する可能性が高い組織犯罪を計画した場合に限り、適用される可能性があるのです。

「テロ等組織犯罪準備罪(=共謀罪)」の呼び方について

本罪は、過去に国会で「共謀罪」という名前で、3回審議され、3回廃案になっています。
理由は、罪の線引きが曖昧なため、捜査側の判断で左右する可能性や職拳乱用につながる恐れがあるためです。労働組合や特定団体などの運動が犯罪にされる可能性があるということで度々廃案になってきました。

 そこで、今回政府は、テロ等組織犯罪準備罪と名前を変更し、主にテロに関わる犯罪準備活動を取り締まる法案として新しく提案をしたところでございます。

 昔の名残があり「共謀罪」と呼んでいますが、政府が提出しているのは「テロ等組織犯罪準備罪」という名前です。これから審議される際には、どちらの呼び方も使われると思います。今国会においては、どちらも指しているものは同一のものでございますので、その点を理解していればスムーズに話が頭にはいってくるのではないでしょうか。

各党の立場

政権与党・自民党「東京オリパラも近づいている。早急なテロ等組織犯罪準備罪の法整備を進めていく」
政権与党・公明党「テロ等組織犯罪準備罪の法整備は必要だ」
政権野党・民進党「共謀罪は必要じゃない。いまのままで良いではないか。」
政権野党・共産党「実行行為がなくても処罰する。現代の治安維持法だといわれるが、まさにそこに本質がある」と厳しく批判。「憲法19条の思想、良心の自由に大きく抵触する。違憲立法だ」

与党は賛成の立場。野党は反対の立場。いつもの景色でございます。

おわりに

 わたしも、今後の国際社会との連携や、テロや組織犯罪の未然防止の為にも、組織犯罪処罰法にテロ等組織犯罪準備罪を加える法改正の早期可決を望みます。確かに、どこからが具体的かつ現実的な計画になるのか、など線引きが難しい点があります。そこは議論を積み重ね数値化し、公正で明快な判断ができるような法律に仕上げて欲しいと望みます。政争ではなく、国民の立場に立った国会運営を強く、強く望みます。

かなり長文になってしまいましたが、なんとか整理できました。わかりやすい!と感じた方は、是非「いいね!」や「シェア」をお願い致します。

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